破戒
うちの母は関西出身で
朝鮮や部落に関して差別的な表現がよくありました。
僕は幸い10歳から関東育ちで
そういうことにあまり影響なく育ちました。
この主人公・丑松は
その被差別部落出身者です。
明治時代には
この本の表現だけでもそうとう差別されているのがわかります。
破戒とは「戒めを破ること」。
主人公・丑松にとって
父親からの戒めがありました。
それは当人が穢多(えた)出身であることを
世間に隠し通すことです。
しかし、
葛藤の末、それを破っていまします。
この小説は
戒めを破るまでのいきさつが大部分です。
直接のきっかけは
猪子蓮太郎という思想家の影響です。
彼もまた穢多という出自で、
しかも「我は穢多なり。」と世に公言していました。
そして
選挙応援演説のあと、誰かに殺されます。
猪子の死が
丑松が戒めを破る引き金になったようです。
結末は
アメリカのテキサス行という形で終わります。
http://www.shinchosha.co.jp/book/105507/
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