2014年10月15日

「破戒」(島崎藤村)


破戒

うちの母は関西出身で
朝鮮や部落に関して差別的な表現がよくありました。

僕は幸い10歳から関東育ちで
そういうことにあまり影響なく育ちました。

この主人公・丑松は
その被差別部落出身者です。

明治時代には
この本の表現だけでもそうとう差別されているのがわかります。


破戒とは「戒めを破ること」。

主人公・丑松にとって
父親からの戒めがありました。

それは当人が穢多(えた)出身であることを
世間に隠し通すことです。

しかし、
葛藤の末、それを破っていまします。

この小説は
戒めを破るまでのいきさつが大部分です。

直接のきっかけは
猪子蓮太郎という思想家の影響です。

彼もまた穢多という出自で、
しかも「我は穢多なり。」と世に公言していました。

そして
選挙応援演説のあと、誰かに殺されます。

猪子の死が
丑松が戒めを破る引き金になったようです。

結末は
アメリカのテキサス行という形で終わります。

http://www.shinchosha.co.jp/book/105507/


posted by mulberry at 15:10| Comment(0) | 本・雑誌 | 更新情報をチェックする
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