2013年02月26日

「彼岸過迄」(夏目漱石)

101011.jpg

本のタイトルは内容には関係ありません。

著者の緒言によると、
新聞連載が元旦から初めて彼岸過迄書く予定だからです。

実際にはもう少し長く4月終わりころまでです。
http://www.shinchosha.co.jp/book/101011/

内容は
著者が最後に「結末」でまとめています。
「敬太郎の冒険は物語に始まって物語に終わった。」と。

主人公・敬太郎は大学を出て、就職しないでいます。

彼がかかわる人物の物語が
章ごとに語られています。

森本によって、放浪生活の断片を。

田口によって、社会をいかに眺めているかを。

松本からは人生観を。

千代子からは彼女がかわいがった幼児の死のことを。

須永からは母子の関係と千代子との関係を。

松本からは須永の出生の真実を

この中で敬太郎の行動は
田口に頼まれて松本をつけたことくらいです。

物語の最後は
須永が旅に出ているところで終わります。


初めに出てくる森本以外の登場人物は
親類縁者という関係です。
敬太郎は須永の友人です。

読んでいると、だんだん話がつながってきます。

夏目漱石の小説に出てくる人は
悩み多き人たちが多いですね。笑


posted by mulberry at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | 更新情報をチェックする
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