このところ夏目漱石作品集を読んでいます。
「野分」は
「二百十日」と2編で1冊の文庫本となっています。
http://www.shinchosha.co.jp/book/101016/
野分は文学者・白井道也が主人公。
舞台は東京。
彼に準ずる登場人物が
裕福な中野と孤独な文学者・高柳です。
高柳は白井のかつての地方での教え子。
中野と高柳は大学の同級生という間柄です。
この3人の会話が主に
話しが展開されていきます。
結末は
中野が病気の高柳に渡した転地療養のための100円が
白井の作品を買うために使われるところで終わります。
(白井には100円の借金がありました。)
この小説も
会話の部分はテンポよく話しが進みます。
このあたりは落語や漫才ののりです。
そして、会話の間にはうってかわって、
人生についての深い熟慮が表現されています。
そこに深い悩みをもつ
漱石の思想がよく盛り込まれているように感じます。
タイトルの「野分」。
白井の生き様を嵐に例えたものでしょうか。
それとも明治の終わりのこの時代のことなのでしょうか??
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E5%88%86_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)
過去記事
http://blogs.dion.ne.jp/mulberry/pages/user/search/?keyword=%B2%C6%CC%DC%DE%FB%C0%D0
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