核密約から沖縄問題へ 小笠原返還の政治史 [ 真崎翔 ] - 楽天ブックス2017年4月発行
核密約から沖縄問題へ 小笠原返還の政治史 ( 真崎翔)
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0871-6.html核密約という重いテーマの本です。
タイトルからすると、小笠原はサブテーマのようですが、
本文ではかなりの量が割かれていて、
実際には小笠原が主題といえます。
目次は、
序 章 なぜ小笠原返還交渉を取り上げるのか
第1章 小笠原占領の決定
第2章 父島と硫黄島の米軍基地
第3章 返還交渉を進展させた米国側の要因
第4章 返還をめぐる米国内および日米間交渉
第5章 小笠原核「密約」と沖縄返還交渉
終 章 小笠原返還交渉とは何であったのか
本文では
小笠原や沖縄の返還交渉が克明に描かれています。
交渉過程では、
繰り返し同じような文言が出てきます。
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小笠原は返還以前、核が置かれていた事実。
小笠原返還にあたっては、核貯蔵の密約があったこと。
小笠原は一括返還されましたが、
核貯蔵密約のこともあり、
実質、硫黄島は分離されました。
(いまだに一般人が訪れることもできません)
それを踏まえて
沖縄返還にあたっては、核持ち込みの密約があったこと。
意図とは逆に
小笠原返還が、沖縄返還の時期を早めたこと。
当時の情勢、
ベトナム戦争や共産国(中・ロ)が影響していること。
アメリカの核は「核の傘」ですが、
「瓶の蓋」(日本に核を持たさない)効果もあったこと。
などなど、難しいテーマですが
返還の情勢について、とても勉強になりました。
posted by mulberry at 15:48| 東京 ☀|
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